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本選レポート

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3年に一度開催される若い指揮者の登竜門として、1967年の第1回から本年で第16回を重ねてきた東京国際音楽コンクール<指揮>。貴重な指揮コンクールとして世界へ知られる存在となってきた。

11月4日に東京オペラシティコンサートホールにて開催された<本選>に残ったのは、田中祐子(日本)、マヤ・メーテルスカ(ポーランド)、石﨑真弥奈(日本)の女性3名。このコンクールの過去になかった女性指揮者3名の登場に会場も期待をもってそのタクトを待った。オーケストラは東京交響楽団。

前半は課題曲のウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲(ブライトコップフ版)。

最初の登場は田中祐子。小柄だが指揮台へ上るといくぶん大きく見える。やや緊張しながらも弱音にも気を配り、後半は溌剌とコーダへ向けて意欲的に演奏した。

続くマヤ・メーテルスカは長身。導入部からダイナミックでパワフルな指揮ぶり。歯切れの良さが際立つ。

3番目の石﨑真弥奈も小柄。パウゼを大切に繋いでゆく。弱奏部分は時折室内楽のような繊細さも見られ、コーダはゆったりと重厚に処理した。

後半は自由曲の演奏。田中は、ロマン派の代表的な作品のひとつであるメンデルスゾーン:交響曲第3番 イ短調「スコットランド」作品56より第1・4楽章(ブライトコップフ版)。メーテルスカは、ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調「英雄」作品55より第1楽章(ベーレンライター版)。石﨑は、ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調作品88より第1・4楽章(スプラフォン版)。いずれも一筋縄にはゆかぬ確固とした構築を持つ大曲ばかり。3人のコンテスタントはそれぞれに曲の処理に工夫をこらし、熱演だった。

今回は、残念ながら1位から3位まで該当者がないという審査結果ではあったが、本選に臨んだ3名とも作品に取り組む意欲と熱意は十分に伝わってきて、いくつかの部分ではキラリと光るものもあり、これからの研鑽でどのような指揮者に成長するか、実に楽しみだ。会場の皆さんも暖かい拍手を送っていた。

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